ドラゴンボール
当事者でいた頃はそんな事気にも留めなかったけど、
時がたって振り返ると、あ、こういうことだったのか、という事がたまにあります。
東京での部署のメンバーは、当時、他部署の人たちから、
よくもそう色んな玉を揃えてきた、と驚かれたメンバーでした。
一見、見た目も雰囲気も、バラバラ。
同じ部署の人間とは思えないのです。
例えば、
アメリカ担当営業はアメリカ駐在経験者、30代前半。アメカジを毎日着せ替え、髭をきれいに生やしていました。シャツも柄物。鞄などの小物にこだわっていました。
その人の担当する日本のお客様もアメリカ関連の仕事なので、受け入れられるのです。
半面、製造業等の日本の名だたる有名企業には受け入れられないので、
お客様層は偏っていました。
イギリス、欧州担当は、ヨーロッパ留学経験者。見た目上品で、綺麗な英語を話しました。シャツは薄いブルーなど。柄物は着ません。
香港担当は、金額勝負な感じの普通のサラリーマンの様相。紺のスーツ、白いシャツ、普通のネクタイ。日本の一般的にイメージするサラリーマンの格好です。
インド人もいましたし、業務から来たばかりの私もいました。違うスタイルの営業をするという意味で、異色、玉の種類が増えた、ドラゴンボールだよ、と周りは言いました。
クマ上司は色んなタイプの部下を抱え、強いチームを作りました。
色んな案件に、対応できるのです。
そんな中、留学や駐在などの海外経験者は 外人上司の扱いが上手く、
毎月さほど新規の仕事を取れなくても責められず、何かとお話の相手をしていました。
英吾ができるということではなく、コミュニケーションの取り方、関わり方が上手いんですね。会社とはそういう事が大事なのですが、当時の私はそういうことに気付かず、
私は上司にあまり好かれていないと思っていました。
そう思いながら、ただ毎日、仕事をこなしていました。
暫くするとどんどん仕事が増えていき、遂に他部署から上司に、手が回らなく人が足りなくなるという報告が行くようになりました。他部署からすれば嬉しい悲鳴で、私の事を少しでも良く言おうとしてくれたのですが、夕方会社に帰ると、大きなクマちゃんが、なぜ先に報告に来ないのかと、のしのし歩きながら言いに来ることも何度かありました。
他部署から仕事が増えたと報告が来る前に、私から直接報告が欲しかったのです。今思えばそうしなければならないのですが、好かれてないと思ってたので、ちょっと近寄りがたいのと、契約した仕事がそこまで増えるとは、想像できなかったのです。
それ程今まで手の付けてないエリアは、仕事の伸びが著しかったのです。
ブルーオーシャンですね。
仕事は増えて、社内から認められるようになっても、クマ上司とのコミュニケーションは最悪ではないけど良好でもない状態が続きました。
幸い評価は正しくしてくれましたが、
コーヒー片手に冗談を言い合う留学組、駐在経験組のようになれず、
羨ましく思う日々が続きました。
今日はこの辺で。
今日も読んでくださって、ありがとうございました。