ブルーオーシャン
今まで誰も注目してなかったエリアというのは、
少し手をつけると、ぐんと成果がでるものです。
私の場合もそうだったと思います。
社内で新しくタイ担当のポジションができ、そこに配置されましたが、
花型の香港、シンガポール、マレーシアを担当する先輩たちにはライバルと思われず、
というか相手にもされず、田舎から上京してきた営業未経験の子、
東京を知らなくて営業できるのか、
すぐ田舎に帰るかな、くらいの扱いでした。
お陰で、下手にマークされることもなく、伸び伸びと日々営業でした。
今とは違い、KPIも、マニュアルもほとんどない時代。
お客さんのところに直行で昼頃に遊びに行って、
夕方飲みに行って仕事をつなぐ、というスタイルが割とまかり通っていました。
そして外資系ではあったものの、営業目標もあるようでなく、
連続で目標達成できなくても、席がないという事は皆無で、
採用されてしまえば、みんな結構好き勝手でした。
それでも、接待などで経費がかさみ、赤字の仕事もとってくる状況は、
外国人上司達には理解しがたい状況で、日本人と外国人の間には溝がありました。
業務出身の私は、花型エリア担当の先輩グループから相手にされないので、
ゴルフや飲み会にも誘われず、おかげで同じやり方をまねる必要もなく、
のびのび仕事していました。
当時まだ目新しいノートパソコンを毎日持ち歩き、
お客様にサービスを徹底して説明し、
メリット、デメリットをはっきりさせてから、良かったら買ってもらうということを繰
り返していました。
ドイツ人上司から教わったスタイルです。
先輩たちからは、今更客は話を聞かない、と笑われましたが、
これがなかなか手ごたえがあって、面白いのです。
朝2社、午後から3~4社、別に毎日の訪問数の決まりもなかったのですが、
振り返るとこういう日々でした。
外出先では無料wifiも、メールをチェックできるような場所もない時代です。
義務ではなくても、夕方会社に戻ってメールチェックをすると夜、
という日も少なくありませんでした。
営業のフロアには、ほとんど誰もいないという日もありましたが、
ちょっと離れた場所から、英語で電話する上司はいました。
あ、こっちは夕方があっちは朝だからね、なのですが、
今思えば、遠くから、慣れないけどソワソワ仕事してる私を見ていたのです。
電話で話す様子や、雰囲気などから、色々感じ取ってたんですね。
後々、私も外国で同じことをするとは、その時思わなかったのですが、
そうやって、人を観察して理解した上で、色々アドバイスするやり方です。
こういう、勉強しながらも楽しい営業の日々が過ぎていくと、
『あんまり頑張りすぎると続かないよ』、とか、『息抜きの方法も覚える時期だ』、
と急に言われるようになりました。あれ?そうなのかな、と思うと同時に、
気にされる存在になてきたのかな?とも思いました。
そっか、ここは息抜きではなく頑張り時、カンでそう思いました。
でもそんなことより、業界で20代女性営業が珍しく、まだ業界でプレゼンをする
営業が少なかった時代にパソコンを持ち歩き、お客様に見てもらうというのが、
何となくカッコよく感じて、楽しいのです。
幸い、お客さんにも新鮮だったようで、このスタイルが好きな担当者には、
とても受け入れられました。そして、今までと違った客層として、
どんどん増えていきました。接待より、コスト削減を含めた業務改善を重視するお客様
です。外国人上司たちも好きな客層でした。
会社は接待なしで仕事を頂けるし、
それ以上に、お客様は会社が提供するサービスを十分理解した上で、
購入してくれるのです。
本当の意味でのお客様でした。
サービスを理解してくれ、使うメリットを納得したお客様たちは、
固定客として定着し、有難いことに、別のお客さんを紹介してくれるという、
恵まれた状況にもなりました。
そして、外国人上司の読み道り、タイと日本の経済関係が進み始め、
1年、一年半後には、社内のタイ関連の売り上げの伸び、何?という状況になりまし
た。 一度、タイに行ってみたら、とお客様にも言われはじめ、
社内でもそんな風に言う人がでてきました。
遊びでも行ったことがないけど、でも一度、観光にでも行ってみたいな、
その時は、その程度の思いでした。
今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。💕