始まり。
ほら、日本より大きな国なんだよ。*
地図を見せて当時の上司が言いました。
大きなドイツ人。この言葉が、タイと関わる始まりでした。
社内でタイ担当になるのです。そのために上京して、そしてそれがきかっけで後々他の国々との縁もいただくことになりました。
タイは4番目に日系企業の数が多い国です。**
タイへの投資が一番大きいのは長年にわたり日本。経済だけでなく皇室の交流も深く、二か国の関係は経済だけではない深いものです。
そうはいっても私は関係ない、という方もいらっしゃるでしょうが、
車の部品、携帯の部品、等、気付かぬうちにタイから身の回りに来てる物は多いです。
あのブランドのシャンプーもヘアカラーも、タイから来てるものがあります。
そのiphoneのパーツは、電話を分解しても名前は出てきませんが、
日系企業のタイ工場で作られたものもあります。
今ではこんなに身近なタイですが、私が最初に仕事で関わった頃は、
まだまだ日系企業が進出し始めた頃でした。
アジアの貿易相手国として、当時は香港、マレーシア、シンガポールが花型の国々。
社内でも既に先輩方が担当していて、時代の流れに乗って、
営業しなくても仕事がある時期でした。
『タイ、何それ?』
『タイなんて担当するの、何もないよ。』
『外国人の上司は何も分かってないからね。』
担当と決まって色々言われました。
先輩たちは接待を繰り返し、
有名企業と取引きしたさに儲からない赤字の仕事を引き受け大きな顔、
そんなことも外資系企業ながら、まだ残っていました。
会社は利益を上げたいのに、日本式ビジネスは赤字でも仕事を取って数年信頼関係を高めてから徐々に儲けるのだ、と主張する先輩たち。
そうならいいのですが、赤字で取った新規の仕事は赤字のまま、
値段を上げると他社に取られてしまうのです。
結果、会社が他で作った利益を削り続け、上層部の外国人達は頭を抱えていました。
日本ビジネスはそうなのか?そうじゃないだろ、でもそうなのか?という時でした。
*タイの面積は日本の1.4倍です。
**最新データ平成29年、外務省